This is it のカイさんのインプレッションを読んで思ったこと。

カイさんのブログを読んでいたらThis is itの二回目を観たカイさんのセカンドインプレッションエントリーが有った。

This Is Itセカンドインプレッション – カイ士伝
http://blogging.from.tv/wp/2009/11/24/2975

そのエントリーの中で、一つだけ多分、これは音楽に限らずエンターテインメントを提供する側に立ってみると違う価値観をもつなぁと思った部分があったので、それだけ書いて寝ようかなと思う。

マイケル自身のディレクター能力もはなはだ疑問で、それが端的に表れるのがJackson 5メドレーの時。単に耳へのボリュームが大きすぎるというだけのことを「こんなんじゃ歌えないよ」「僕は自分の耳で聞くように育てられているからね」「耳に拳をつっこまれている感じだ」と自分の感情ばかりを表にし、オルテガに「じゃあどうすればいい?」と聞かれると「音を小さくして」と答えるマイケル。だったらそれ先に言えよwww。

The Way You Make Me Feelのリズムをキーボードと合わせる時も「ベッドからはい出るよう感じ」とか無茶苦茶な表現してキーボードを困らせたあげく、キーボードの人も最後には「具体的に言ってくれないかな」とちょっとキレてるw。インタビューではみんなマイケル最高言うけどそりゃドキュメンタリーなんだから言うよねレベルでありまして、リハ中のマイケルの言動見ていると言いたいことは言ってるものの、何かをまとめる方向ではほとんど動いてない。

自分の楽曲にこだわりを持っていて、細かいキーや音階のレベルで調整に入るというマイケルのこだわりはすばらしいけれど、結局あのライブをまとめきっているのはオルテガの手腕によるところだよね、というのが個人的なファイナルアンサーで、そういう意味で作品はみんなで作っていくものだよなあと。1 人の天才とそれを陰で支える黒子、という構図のほうがしっくりきます。

と、カイさんは書いているんだけど、あれら二つのシーンが本当に本番直前のリハーサルでのシーンだったら話は別だけど、多分イヤモ二をつける下りも、衣装が変わったシーンではイヤモニをつけていたから結構初期のリハーサルでのシーンだと思うんだよね。そして、
The Way You Make Me Feelのシーンも、アレンジの打合せをすると言うことは結構初期なリハーサルだと思う。

一つのエンターテインメントを作る際、カイさんが言うように1人の天才とそれを陰で支える黒子という構図で出来上がる作品もそれは素晴らしいと思うし、実際マイケルは凄いんだけど、あのステージに関わっている人達は、オルテガ筆頭にスタッフもミュージシャンも飛び抜けて凄い人達が集まってたんだよね。

で、「ベッドからはい出るよう感じ」と伝えてるシーンも、多分あそこで具体的な表現を言ってしまったら、それはその時点でマイケルが言葉として表現できる表現で終わってしまい、わざわざ二ヶ月間もあのでかいホールを抑えて一つの世界観を作り上げてく意義が薄れてしまうんだと思うのです。

マイケルは、彼の集大成となる表現を1人の天才とそれを陰で支える黒子という構図ではなく、マイケルの思い描く表現と共鳴して各天才がケミストリーを起こして作る最高のステージをまとめ上げる為に、二ヶ月という時間をかけてあのリハーサルを行ったんだと思うんだよね。

リハーサルを終えて本番初日のステージに立ったその瞬間に全てをまとめ上げた結果を出せるようにする為、あの時点では自分の表現と共鳴して貰える為の抽象的な表現を伝えてたんだと思う。だから、キーボードのシーンでは、最後までマイケルは感じてくれよと、訴えてた気がするんだ。

なんつぅか、別に私はプロミュージシャンでもないし、ってか早々にプロミュージシャン諦めて19歳からベンチャーの方に重きをおいてた人間が何を言ってるんだって感じかもしれないけど、言葉で言っちゃうと、それって決まり事になっちゃうんだよ。ココはこう弾いて!って言ったら、そうなっちゃう。特に、マイケル・ジャクソンのThis is itでマイケル・ジャクソンに言われちゃったら。

でも、抽象的な表現を、そのミュージシャンが租借して解釈をして表現したときに、言った側が期待している以上の表現を出してくる場合があったりするの。その奇跡が重なってきて、なんというか阿吽の間で素晴らしい音楽が生まれたりするんだよね。実際、高校時代組んでいたバンドのベースとはここはあんな感じだよねぇとか抽象的な表現でのみ共有していて、違うときは違う!って事だけを言ってた結果、数年ぶりに再結成してライブをやる事になったときも、すんなり溶け込める演奏ができたんだよな。

イヤモニの件も、モニター卓のエンジニアに、彼なりのメッセージを送ってたんだと思う。それが何かは分からないけど、その何かを2ヶ月間の間に共有できるようにするために、ああいうリハーサルをしたんだと思うのです。だから、マイケル自身のディレクター能力という観点で語ると、何を持ってディレクターというのかも曖昧だけど、最高のエンターテインを皆で作り上げる事をディレクションする人間としては、凄く長けている人だと思ったなぁ。

と、須田はこういう風に思いました。なんか、こんなエントリー書くとすだっちは何も分かってない!ってRAMちゃんとかから怒られそうだ。。それでは、お休みなさい。

Diary | 2009-11-25 | パーマリンク | コメント(4)

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Comment from 1756
11月 25, 2009 at 5:26 am

音楽に従事する者です。(J−POPフィールド)
全くもって須田さんのおっしゃるとおり。
音楽制作当事者の僕たちからすればマイケルの言葉がどれだけ心に響いたか。

物事の見方は決して一方向でないと解っていても、
こと芸事に関すれば演じ手と受け取り手にどうしようもないギャップが生まれる事もままあります。
その顕著な例がこのカイさんのインプレッションに集約されているかも。

マイケルのあの言葉達は、
実際にツアー制作やステージのアレンジに従事した人間には当に神の言葉です。
あれだけ優しく思いやりを持ってイメージを伝える姿に、自分自身を振り返り反省したミュージシャンは少なくないはずです。
イヤーモニターのくだりも、実際経験した人間にしか解らないでしょう。
実際あれは慣れないと苦しいモノだし、モニタースタッフとの意思疎通が何よりも大切だからこそあえてLOVEと表現して想いを伝えていたのでしょう。

言い出せばキリがないですが、カイさんのインプレッションからはそういった実際の現場における物語を知らずに書いているんだろうと連想させられます。
マイケルの一言一言の重みや思いやりが本質的に何も理解されていないし、とりあえず斜めからの視線がちょっと残念でした。

残念ですが、仕方ないですね。
だってライブ制作を実際に経験しないと絶対にあれは解らない事なんだもん。。。

Comment from カイ
11月 25, 2009 at 9:32 am

引用どうもです。さすが音楽側の人の意見は興味深いですねー。こういう意見の交流がブログやってて良かったと思います。

ちょっと勢いで書いちゃって語弊あったとおもうんですが、要はあのイベントってみんなでつくってるよねということを痛感したんですよね。ネットでみてると「マイケルがなんでもすごい」みたいな論調があって、いやそれは周りが受け止めてあげてるからだろ、ととても思ってしまったので。

ツッコミ上「具体的に言えよ」と書いちゃったんですが、マイケルにそれを求めてるんじゃなくて、感性で話すマイケルをきちんと周りが(キレながらも)受け止めてマイケルの思うものを返してあげてるから成立するのであって、そこをマイケルのディレクション能力といっちゃうのはなあ、という思いでした。

そういう点でこのエントリ非常にためになりました。

Comment from suda
11月 25, 2009 at 6:30 pm

1756さん、初めまして!そしてコメント有難うございます。
ほんと、人によってコミュニケーションの取り方は様々ですもんね。高圧的な人、何も言えない人。そんなアーティストの中でも、This is itでのマイケルのコミュニケーションはLoveにつきると思います。
イアモニって、ある意味、ミュージシャンに取って命綱である鼓膜を預けてるんですもんね。
1756さんも日々沢山の葛藤との戦いだと思いますが、頑張って下さい!

Comment from suda
11月 25, 2009 at 6:32 pm

カイさーん!
この須田英之の独り言で、自分の日記や商品紹介以外の事を書くことが本当に経験少なかったから、正直書き終わった後もPublish押す勇気がでるまで時間かかったです。

何はともあれ、あの作品を見れたことは僕たちに取って本当に幸せだったと思います。本当に、出来れば本番として見たかった。

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すだっち 現在楽器メーカーに勤めながら、日々ダイエットに勤しんでいる須田英之です。詳しくはプロフィールで!

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